【2019年夏時点での自己紹介】 2010年に31年勤務しましたANAを早期退職。25年間野鳥観察に通い詰めた根室市に移住しました。2010年7月には「根室市観光協会のバードウォッチング観光自己紹介

2016年6月3日金曜日

落石NC(AM) 調査船の調査圧により海鳥がいない!まただ! 540,235

2016年6月4日(土)
<落石ネイチャークルーズ(AM便)>   BYイーグル
英国からのお客様や札幌の旅行代理店の副社長さんなどに加え、熱心な海鳥FANの日本人のお客様など8名での運航となりました。天候も良くなり、風向きも理想的。今日はいいぞ!と意気込んでクルーズを開始いたしました。
ところが、出航してすぐに「異変」に気づきました。今日は海鳥が極端に少ないのです。

不審に思いながらも船を進めてゆきました。風向きへの考慮と皆様の観察したい海鳥のご希望がケイマフリ・エトピリカであることから、落石岬を過ぎてすぐに船を左に向け、一路ユルリ・モユルリ島を目指しました。

海鳥が極端に少ない時間が続きます。船内は重苦しい雰囲気。それでも、島に近づくにつれ、いつものようにウミスズメ類やウ類が増えてくることに期待し、どんどん船を進めてゆきました。

6月に入り、エトピリカ・ウトウ・ケイマフリなどの本格的な「繁殖期」に入ったこと、今がエトピリカなどにとって繁殖初期のデリケートで大切な時期であること、エトピリカは1年に卵を1個しか生まないこと、今は1年でも一番彼らを刺激してはならない時期であること、落石ネイチャークルーズは大切な「地域資源」であるエトピリカ等に対する「観光圧」を最小限にとどめるように努力・配慮していること、したがって我々の船はユルリ・モユルリの繁殖場所であるアブラコ湾等には絶対に近づかないし、2島の間の海峡にすら入らないことにしている(自主規制)ことなどを、英語と日本語で皆様に丁寧に説明いたしました。英国人のお客様をはじめ日本人のお客様も、皆さま深くうなずかれ、賛意・同意の気持ちを表して下さいました。

繁殖地などに近づかなくとも、餌を採るために海峡外に出てくるエトピリカ等を、目の玉が飛び出るくらい双眼鏡を駆使し、プロガイドのプライドをかけて、彼らを見つけ出す。そして、エトピリカを追いかけるのではなく、こちらへ向こうから近づいて来るように仕向けて皆様に間近で観察していただく、これが我々が6年間の間に追求・習得してきた観察方法です。

必ず、見つけて、喜んでいただくぞ! ガイド魂に火がつきました。

ところが、不測の事態が起こりました。

突然、後ろから小舟が現れ、我々が入らないと決めている繁殖場所へドンドン入って行きます。双眼鏡で見ると、漁船や釣り船ではなさそうです。雰囲気から察するに、何かの調査船だと思われました。

彼らはこちらに完全に気付いている様子でした。また、双眼鏡でこちらを見てニヤニヤしている様子も見られました。明らかに、我々がネイチャークルーズ船であることを認識している様子でした。
それにもかからわず、彼らはドンドン繁殖地に入って行きます。おかげで、周辺にいた少数の海鳥たちもすべて沖合へ飛び去ってしまいました。

双眼鏡でせっかく見つけた1km以上先のエトピリカ(2)も彼らの船の侵入に驚き、沖合へ避難してゆく様子が見えました。ただ、その様子はクルーズ観察に慣れていないお客様には観察不可能なくらい遠方での出来事でしたので、気付いたのは私一人でした。

傍若無人なその小船はドンドン繁殖地に入って行きます。とうとう、一番大切なエトピリカの繁殖場所の真下までゆき、しばらく、何やら調査活動めいた行動を取っていました。

そのおかげで、とうとう海鳥は1羽もいなくなってしまいました。

お客様と私は内心、激怒。はらわたが煮えくり返る思いでした。それでも、正直に事情を説明し、やむなく帰路につきました。
帰路の船内は、まるでお通夜のようでした。。。。。。



後で、調べたところ、その船は「ユルリ島周辺に海鳥のデコイを設置するため、環境省がチャーターした調査船」との届け出が出されているとのことでした。

私は、調査が必要ないとか止めろとか主張する気持ちは毛頭ありません。
「ビジネス」から「環境保全」の分野まで、「必要な」調査活動が世の中に存在することは十分理解しています。

問題は、その「必要性」、「やり方の適正さ」、そして何よりも調査員の「謙虚な姿勢」が確保されているかにあると思います。

「デコイの必要性」については、それなりの理屈を環境省は構築しているのでしょうが、霧多布等と落石は事情が違うと思います。
エトピリカやツノメドリが毎年定期的に繁殖活動を成功させている落石地域に、本当に「デコイ」など必要なのでしょうか? 漁業活動や既存の海鳥の繁殖活動をかく乱しないでしょうか。

他のデコイ設置地域を否定する気持ちは皆無ですし、その効果を否定するものでもありませんが、落石の現状を環境省は本当に多角的に把握しておられるのでしょうか?
環境省は、海上設置より陸上設置を志向していると聞いている、と落石漁協は言っていました。コンブ取りのポイントにデコイの海上設置は、かなり難しい。ならば、陸上というような安易な決定は出来ないでしょうし、また、環境省みずからが発行している出版物には「陸上での効果はまだ認められていない。」と書かれています。効果の認められないことに、貴重な国の予算を投入するのでしょうか?  この点の矛盾はどのように説明されるのか? 屁理屈ではなく。。。。

私は、落石の場合は、デコイでおびき寄せる段階はもう終わっており、必要なことは「混獲」への対策を漁師さん自身に考えていただく効果もある「クルーズ事業」の継続と、島に侵入してきている「ドブネズミの駆除」にあると思います。

「ドブネズミ駆除」には当の環境省さんが取り組まれていますが、デコイにかける予算があるなら、こちらにもっと予算を回すべきだと思います。その方が効果が大きいと地域の多くの人々は考えています。
一昨年は、その予算を補っていただくために、落石ネイチャークルーズの収益金を積み立てている「落石漁協の海鳥保護基金」から、環境省に寄付までさせていただきました。
地域が望む「ドブネズミ駆除」には地域の寄付を使いながら、地域が望んでいない「デコイの設置」には国家予算をあてる環境省の姿勢は、いかがなものかと考える人間は私一人ではありません。

環境省は、その辺の感情にまで配慮し、地域と十分に腹を割って話し合う必要があると思います。
ユルリ島が落石漁協が100%所有する「私有地」であることを忘れてはなりません。

環境省という日本政府が地域とのコミュニケーションを重視せず、「学術的観点」「増殖実績」のみにこだわり、あたかもそれらが「社会正義」であるかのように振る舞うとすれば、近い将来、重大なしっぺ返しをくらうことになるかもしれないことを十分認識するべきだと思います。

また、蛇足ですが、一部環境省の中には、「落石ネイチャークルーズそのものに反対する一派」がいまだに存在するやに聞いています。個人の感想は自由ですが、今後万が一にでも、官僚の個人的見解という一線を超える時は、それなりの「政策的整合性」を担保していただきたいと思います。
当クルーズ事業は、農水省のマリンビジョン政策・総務省の地域活性化政策(総務大臣表彰も受けました)、中小企業庁による評価(2015年度中小企業白書)、その他国土交通省・北海道庁・根室市の方からの絶大な支持をいただいております。また、安倍政権の推進する「地域の時代」「地域重視」の政策にも合致している事業だと自負しています。
環境省が本クルーズに今後公式に何か言って来るときは、これらの省庁や行政機関との「調整」を終えてから、落石に来てもらいたいと思います。「縦割り行政の中での悲哀」などという言い訳は我々には通用いたしません。

話を戻します。
いずれにしましても、今日のクルーズは「最悪」でした。
お客様にも平謝りさせていただきました。はるばる英国から遠い所をお越しいただいたお客様やご視察のお客様、カメラ持参の熱心な海鳥FANの皆さま。本当に申し訳ありませんでした。
皆様の優しさに救われ、甘えてしまいましたが、本来ならば「払い戻し」も検討すべきだったかもしれません。
ガイドの一存で決めることも出来ないので、その辺の問題については、正直うやむやになってしまいました。
プロガイドとして、本当に忸怩たる思いのクルーズでした。

下船後、落石ネイチャークルーズ協議会の事務局とこの点について協議しました。

協議した結果の感想は、
①今日の調査を認めた経緯や実施方法に問題がなかったかどうか調べる。
②私有地である「ユルリ島」への上陸や繁殖地への接近については、現在の簡易すぎる手続きの厳重化を含め検討する。
③「調査」といえば何をしてもいい。どうせ、無知な地域にバレないはずというような驕りの気持ちがかけらでも調査員になかったか? 
④「必要な調査」まで否定するような「大人げない」行動を取るのは良くない。必要な調査はどんどん認める。ただし、地域が取り組んでいる「観光事業」「地域活性化事業」への理解を条件にする。その上で、観光事業と調査活動が矛盾を起こす場合、事前に腹を割って話し合う場を設ける。
⑤繁殖初期の調査を避けられない事情や理論的裏付けが本当にあるのか? 調査員が
繁殖初期の大切さを本当に理解しているのか? 調査員の「素性」も公にし、その学術的な「経験」「力量」が客観的に評価されるような仕組みを考案してゆく。力量に劣るアルバイトやフリーターやその友人・家族などを使っているなどということは本当にないのか?(噂が存在します。)
⑥狭い日本の「常識」だけにとらわれず、諸外国の「調査方法」も研究し、グローバルな解決方法を導入できないか考える。英国などの先進国に調査を依頼できないのだろうか? 
いずれにしても、国民の税金が本当に適正に使われているのか調べる必要がある。

などなど。。。。

いずれにしましても、今回のことは地域を大きく刺激しました。
そして、去年も一昨年も同じようなことがありました。

環境省・山階鳥類研究所などが、毎年、この地域との軋轢を繰り返しています。
今回、実名を公開したのも、堪忍袋の緒が切れかけているからです。
去年は、実名・写真の公開ギリギリまで行きましたが、SNSの社会的問題に配慮し、思いとどまりました。去年の相手からは正式の「謝罪」もありました。

それでも、今年も同じことが繰り返されたわけです。これは、もう「故意」「悪意」があると思わざるを得ません。

私は、この場を借りていいたい!

我々をなめるのも、いい加減にしろ!と。

本書き込みは、新谷個人の見解ですが、本当に心の底から信念を持って書いています。
今回は、4年連続でのトラブルですので、あえて実名も写真も、意図的に上げさせていただきました。

本稿を読み、私と議論・反論する意思のある当該関係者は、遠慮なく下記の連絡先まで電話してください。
ただし、実名・所属・連絡先・学術的実績力量・ユルリ島調査かける情熱や正当性・調査結果のサマリーなどを公表していただくことが条件です。
くだらない恨みつらみや言い訳、いやがらせ、妄想は一切受け付けませんので、そのつもりで。

連絡先:新谷耕司(イーグル)  080-3173-7175

メール等での議論は受け付けません。この書き込みは、当該関係者がどこのだれなのかわからないので、やむなく、SNSの力を借りました。
お電話をいただいた後は、電話および面と向かっての議論に限定いたしますので、そのつもりで。

以下、本日の現場での様子を写真で公開いたします。これも、4年目で堪忍袋の緒が切れたための不本意かつ苦渋の決断です。


突然繁殖地に入り込んできた小舟。
こちらを双眼鏡で見ている。
明らかなにクルーズ船の存在に気づいている。

我々が2島の入り口に留まり、繁殖地に入らないという自主規制を引いている時期。
傍若無人に入り込んでゆく調査船と思われる小舟に 怒りの声が上がった。
エトピリカ・ウトウやケイマフリが
繁殖初期 を迎えているこの時期に、こんなに繁殖地に近づかないと、デコイの調査が出来ないものなのか?
その正当性を裏付ける理論的根拠や必然性・マイナスの影響への評価などを公表すべきである。
エトピリカの繁殖地「あぶらこ湾」の一番奥まで入っている。
エトピリカ(2)、ラッコ(1)、ケイマフリなどが逃げ惑う様子を双眼鏡で観察しました。

我々は、海峡の外に留まっている。それがルール。
民間の観光の自制心を、環境省はどのように評価しているのか。

すくなくとも、世界中から来ているお客様の目の前で、これ見よがしに、「特権?」を振りかざす様は、日本人として、人間として、かなり醜いという事に気づくべきである。。
中央の三角形の岩とその左の崖の上がエトピリカの重要な繁殖地です。
その真下に船がいると、餌をくわえて帰って来るエトピリカは巣に戻れず、ぐるぐる上空を旋回したり、沖に戻って行きます。
調査?がエトピリカの繁殖活動に大きな影響を与えている事は明らかです。

エトピリカは1年に1個しか卵を産まないことを知っているのでしょうか?
調査圧が近隣地域のように巣の放棄につながりかねないことに気づかない研究者・調査員は本来存在しないはずですが。。。。。

本当に、研鑽をつんだ優秀な調査員・研究者の所業なのでしょうか?

船は海鳥を蹴散らしながら進んでゆきます。
とうとう、我々も一度も経験したことのない「海峡通過」までやっていました。

海鳥への影響より、調査活動の利便性を優先したとしか思えません。


このルートは漁業活動以外絶対に取ってはならないのは常識です。

調査と言えば何度も通るという驕りのにおいがプンプンします。

何十年に渡って、調査員が繰り返してきた間違った習慣・驕りだと思います。


環境省の上陸チームの皆様も、もう少し、「ハイド効果」という国際的な常識について勉強してきてほしい。




これだけでも、海鳥に大きな影響があることは、年間120回以上乗務している我々ガイド仲間や船長さんの間では常識ですよ。

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