【2019年夏時点での自己紹介】 2010年に31年勤務しましたANAを早期退職。25年間野鳥観察に通い詰めた根室市に移住しました。2010年7月には「根室市観光協会のバードウォッチング観光自己紹介

2013年6月29日土曜日

2013年6月28日(金)  214,889
<落石ネイチャークルーズ> By イーグル
今日はAM・PM便2便の運航でした。AM便は、低温に加え波が高く苦労しました。それでも、ユルリ島に向かう途中でエトピリカ(1)に出会いました。これほど島から離れたところでエトピリカに会う事は普段あまりありません。違和感を感じましたが、嬉しい出会いであることには変わりありません。いつも通り2島の間には船を入れず、カメラマンさんの理解を得ながら外海で待機。海峡内に12羽の個体が浮かんでいるのを確認しました。エトピリカが「人に興味がある鳥であること」「こちらから近づかず無視していると向こうから近づいて来ること」「こちらに敵意がないとわかると、船の上を周回したりしてコミュニケートしてくること」等を説明し、彼らがこちらに近づいて来るのを待ちました。案の定、2羽のエトピリカが200mから100m位まで距離を縮めて来ました。皆さん信じられない様子。最後は30m位まで来ることがある旨説明し、皆が笑顔になりかけた瞬間に思いがけないことが起こりました。いきなり、繁殖期に立ち入りを自主規制しているアブラコ湾内から猛スピードで1隻の昆布船が飛び出してきて、海峡内のエトピリカ・ケイマフリ・ウトウなどをすべて飛ばしてしまったのです。反射的にCanon PowerShot SX50HSで連写。拡大してみると、漁師さんではありません。何やら双眼鏡を持った調査員の集団の様でした。鳥類調査を行っていたと思われますが、その傍若無人の振る舞いに怒りを感じました。仮に許可を得て湾内に入っているとしても、我々のすぐ前であのような優越感に浸ったような行いは許せません。案の定その後の観察は悲惨でした。午後便にかけて、エトピリカどころか湾内外に1羽の海鳥すら浮かんでいないという状況になりました。
午後便のお客様には本当に申し訳ない結果となりました。

はっきり申し上げまして、我々観光船が我慢して繁殖場所との距離に細心の注意を払っている目前で、ベテランの調査員風の方々があのような理不尽な振る舞いをするなんて全く信じられません。巷に言及の多いカメラマンのマナー不足を糾弾する前に、「調査員のマナー」を監視する仕組みが必要だと思いました。「繁殖期の調査の必要性」の真摯な検討も不可欠です。
その調査、本当に必要なのですか?
多くの監視の目が理不尽な「調査」から野鳥を守ります。
仮に必要な調査を行う場合でも、
①専門的知識を有する調査員を厳選し、出来るだけ人数を絞る。間違っても、初心者や知り合い・家族などの同行は厳に慎む事。
②ブラインドなどを多用し、「ハイド効果」を常に意識した野鳥に優しい調査に徹する事。
③関係者には調査結果を公表するなど、最低限の礼儀を守ること。今回の場合、ユルリ島は落石漁業協同組合の「100%私有地」です。漁協への挨拶や口頭での調査概要報告は、最低限の礼儀。
④「調査圧」を常に意識し、「謙虚さ」をもって野鳥に臨むこと。
というようなポイントを押さえておく必要があると思います。

今日は「調査圧」の存在を初めて実感致しました。

結局どこの調査船か不明であるため、撮影した写真(顔がはっきりわかります)は公開を差し控えさせていただきますが、もし、心当たりのある方が本ブログをお読みの場合、速やかに調査時期・調査方法の再検討をお願いしたいと思います。

また、私の意見に異論がある方は、直接お会いして、お互い納得がゆくまで、サシでお話しいたしましょう。面会場所のご相談は、携帯080-3173-7175までご連絡ください。

「調査員は選ばれた人間なので何をしてもよい」的な日本の風潮は、「世界の非常識」です。
調査員こそ一番自らに厳しくある事が要求されると思います。「特権意識」は捨ててください。

≪本日の確認種≫
AM便:
エトピリカ(13+)
ウトウ(1000+)
ケイマフリ(200+)
ウミバト(S2)
ウミウ
ヒメウ
チシマウガラス(f1)
シロエリオオハム(2)
ウミネコ
オオセグロカモメ
オジロワシ(1)
**ラッコ(1)

PM便:
エトピリカ(f3)
ウトウ(1000+)
ケイマフリ(200+)
ウミウ
ヒメウ
チシマウガラス(f1)
シロエリオオハム(f1)
ウミネコ
オオセグロカモメ
オジロワシ(1)
**ラッコは見ることが出来ませんでした。

突然の調査船にあわてて避難!

可愛そうなエトピリカ

調査船の闖入に逃げ惑う2羽。





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