【2019年夏時点での自己紹介】 2010年に31年勤務しましたANAを早期退職。25年間野鳥観察に通い詰めた根室市に移住しました。2010年7月には「根室市観光協会のバードウォッチング観光自己紹介

2014年12月8日月曜日

落石ネイチャークルーズAM便  米国人とウミバトだらけ 380,989

2014年12月8日(月   By イーグル
<落石ネイチャークルーズ・アメリカ人団体による貸切>
   気温マイナス5℃。快晴・風少々・波なし。絶好の海鳥日和でした。
今日はアメリカのバードウォッチング・ツアー専門会社の団体が午前便を貸し切られました。
お客様は全員アメリカ人の富裕層の年配の方々。どの方も、持ち物と質問内容から、相当の猛者と見受けられた。リーダー役のDさんは、この会社の社長でもあるらしい。野鳥観察とツアー運営の経験と腕はかなりのレベルと思われました。
   海鳥は順調に出てくれました。特に、Dさんは乗船前に何度も「ターゲット・バード」のリクエストを出して、初対面の私のガイド力を試しているところがありました。ケイマフリ・ビロードキンクロ・ウミスズメ・エトロフウミスズメ・アビ類がご希望でした。
腕が鳴りました。それなら絶対見せてやるぞ!日本の海鳥ガイドの力をアメリカ人に示してみせる!と、乗船前から、かなり気合が入りました。勿論、エトロフはこの時期は無謀である旨説明、お断りいたしましたが。。。。
   コースは、リクエストに合わせて、ユルリ・モユルリ島を周回するコース、特に「七つ岩付近」と「浜松海岸沖」で時間をかける設定と致しました。現在七つ岩付近にウミスズメ類が集まっている為とビロードキンクロは貝殻を主食としているため、海底が砂地の場所が適地であるためです。
   この読みがばっちり当たりました。
クルーズの前半では、ビロキン以外のターゲットバードは七つ岩とユルリ島の太平洋側で、すべてお見せすることができました。それどころか、予想外にウミバトが次々と現れ、ケイマフリの数を上回るほどでした。この海には、3亜種のウミバトが記録されている事を説明し、船上でウミバトの識別方法も解説しました。うまい具合に、この後、3亜種すべてが確認出来ました。
この時点で、リーダー役の目の色が変わりました。自分に対する信頼感が芽生えたことが手に取るようにわかりました。
   その後、ユルリ島付近では、チシマウガラス(若鳥)が海中より突然浮かび上がり、お客様(と私)を驚かせました。アメリカ人にとっても、チシマウガラスはやはりレアーな海鳥なのですね。
  最後に、問題のビロキン。結構、漁港や野付半島等ではよくみかけるのですが、狙うとなかなか見つかりません。30分以上探しても出てくれないため、ちょっと、船内の雰囲気が険悪になりかけましたが、船が浜松海岸に差し掛かった時、あっさり、4羽(♂3、♀1)が飛翔。白・黒の美しい姿にDさんもため息を漏らしていました。そして、いきなり、彼が笑顔でガッツ・ポーズ!荒々しく握手を求めて来てくれました。実にアメリカ人らしい! こちらも、笑顔で返します。こんな時が、ガイド冥利に尽きる瞬間です。そのあとは、船内がすっかり弛緩。ターゲットバードをすべてクリアした安堵感も手伝い、Dさんとは、まるで旧知の間柄の様に親しく語り合うことが出来ました。
  そして、2016冬の彼らの日本ツアーのガイドに私を指名したい旨、丁寧に打診してこられました。前向きに検討させていただきます!
  今日はアメリカ人気質全開の手ごたえのある方々との海鳥ガイド。心底、楽しいひと時を過ごさせていただきました。また、来てくださいね!

≪確認種≫
アビ
オオハム
シロエリオオハム
ハジロカイツブリ(6)
アカエリカイツブリ(2)
ウミウ
ヒメウ
チシマウガラス(若1)
スズガモ
クロガモ
ビロードキンクロ(6)
シノリガモ
コオリガモ
ウミアイサ
オジロワシ(3)
オオワシ(4)
ウミネコ
オオセグロカモメ
ウミバト(Snowi=3, kaiurka=2, columba=1  いずれも冬羽)
ケイマフリ(5)
ウミスズメ(40+)
ウトウ(冬1)

ウミバト(C.c.columba)

ウミバト(Pigeon Guillemot)

ウミスズメ(Ancient Murrelet)

ウミバト(C.c.snowi 冬羽)

ウミバト(C.c.snowi  チシマ型 冬羽)  白いパッチはない。細くて短い白線のみ。

ケイマフリ(Spectacled  Guillemot)

アビ(Red-throated Loon)

ウミバト(C.c.kaiurka)  美しい冬羽。

ウミバト(アリューシャン型)

ウミバト(C.c.columba)
  翼の下面に白い線がある。

ビロードキンクロの飛翔。(White-winged Scoter)

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