【2019年夏時点での自己紹介】 2010年に31年勤務しましたANAを早期退職。25年間野鳥観察に通い詰めた根室市に移住しました。2010年7月には「根室市観光協会のバードウォッチング観光自己紹介

2014年8月30日土曜日

落石ネイチャークルーズ354,231

2014年8月29日(金) 快晴。気温19℃。無風。凪。
<落石ネイチャークルーズPM便>  By イーグル
 今日も快晴の青空の下、快適なクルーズとなりました。気温も20℃と高めで、風もほとんどありませんでした。体感温度は20℃を遥かに超えており、今シーズン一番の暖かいクルーズでもありました。
 
 ただ、海鳥は少なく、特にエトピリカは若鳥3のみで、成鳥の姿が全く見えませんでした。もう繁殖期終盤ですので、昨日が終認日だったのかなと思いましたが、昨日は島のすぐそばに5羽の成鳥と2羽の若鳥を簡単に認めていただけに、天候の変化が全くない中、1日で1羽も居なくなるのは異常に感じました。また、エトピリカだけでなくウトウも普段より少なく、何よりも沿岸性の強いケイマフリの姿がほとんど見られなかったのが異様でした。(漁師さんの話では、今朝は沖合の操業地域には多数のエトピリカ成鳥がおり、異様であったそうです。)
 
 それもそのはず、ユルリ島に差し掛かった時、また今年も島の上に人影が2名見えました。ブラインドを使わず、下半身もむき出しのままで島の稜線に姿をさらしていました。(写真あり)
 帰港後、落石漁協に問い合わせた所、「今日は環境省の委託調査員が島に入っている。」とのことでした。ユルリ島は「落石漁協の100%私有地」ですが、ちゃんと漁協の許可をえて入島されていたようですので、「手続き上は」全く問題ありませんでした。ただ、毎日海に出て海鳥を観察している者としては、海鳥の動きや数の変化を見ているだけで島に人が入っている事がわかります。入島行為そのものがユルリ・モユルリ島の生態系に大きく影響を与えている事は明らかだと思います。
 
 私は許可を得て実施される「学術調査」の必要性を否定する立場ではありません。必要な調査は実施すべきだと思います。また、繁殖期にも運航する落石ネイチャークルーズが、島の海鳥たちに全く影響を与えていないなどと主張する愚かさも持ち合わせていません。
 
 ただ、調査活動も観光運航も、繁殖期の海鳥たちに与える影響を最小限に抑える努力をすることが必要だと思うのです。
 小さな漁船による海鳥観察は、海鳥への影響が最も少ない観察方法だと思います。海鳥から観察者の下半身が見えませんので、「ハイド効果」を十分に生かせます。(もしイカダで海鳥観察をしたら、下半身丸出しですので、海鳥は近寄ってこないと思います)
 同様に、やむを得ず繁殖期に調査を実施する必要のある場合は、その必要性を広く公開した上で、ブラインド等を多用し「ハイド効果」を十分に生かした調査方法を採用していただいた方が良いと思います。(この1点が私の主張です)
 
 学識経験のない者が生意気言うな!と思われる方も多々いらっしゃると思います。
確かに、学術的には我々は素人集団かもしれません。ただ、今や海鳥と接している時間は日本で一番長いかもしれない集団です。特に、漁師さんをバードウォッシャー化し、毎日の漁業活動の中でも海鳥を継続的に観察していただいている点が強みです。漁師と言う「海の専門家」の意見と経験を最大限生かしながら、「生態系への悪影響の極小化」と「海鳥観光振興という地域経済の活性化」に取り組んでいる落石ネイチャークルーズのスタッフには、学術経験者である研究者や調査員の先生方には無い「何か」があると確信しています。
 
 私は反体制的イデオロギーを信奉する人々の様に、常に「対立軸」を必要とする人間ではありません。どのような立場の方々とも、出来れば融和し共通の目的を見出すことにより、力を合わせて落石の素晴らしい自然を守り、かつ、有効活用してゆきたいだけです。
 私は島に1度も上陸したことがありません。自分の担当する仕事上その必要性を感じないからです。願わくば、ユルリ・モユルリ島の調査活動の方法や実態を広く世間に公表していただくとともに、落石ネイチャークルーズの地域に果たしている役割についてもご理解を賜り、何か「頻繁な情報交換」を可能とする仕組みが出来ればいいなと考えております。
 
 「対立」ではなく「協力」を重視しながら、学術経験者の「学識」と漁業者・観光推進者の「日常的・継続的なフィールド情報の蓄積」を融合し、落石の素晴らしい自然を守りながらも、広く全世界から多くの人々に落石・根室に足を運んでいただく仕組みづくりに、私はこれからも邁進してゆきたいと考えております。
 
≪今日の確認種≫
シロエリオオハム(3)
ウミウ
ヒメウ
チシマウガラス(f1)
シノリガモ(3)
オジロワシ(2)
アカエリヒレアシシギ(3)
ウミネコ
オオセグロカモメ
ケイマフリ(20+)
ウミスズメ(10+)
ウトウ(100+200漁港外) *部分白化個体1を含む。
エトピリカ (若鳥のみ3羽)
アマツバメ(1)
*ラッコ(3頭)


ウトウの部分白化個体。

白いのでよく目立ちます。顔はやっぱりウトウ!

アカエリヒレアシシギ」。2万羽の大群は去りましたが。。。

水浴び中のエトピリカ若鳥。我々の方は気にしていない様子でした。

水浴び中。

エトピリカ若鳥。

エトピリカ若鳥。

今日もラッコに会えました。何と3頭も。

ウミウ・ヒメウとラッコ(3頭)

Canon PowerShot SX50HS。近づかずに大きく撮れるのが重宝。

手かと思ったら足の様です。

モユルリ島。

落石漁港のすぐ外にウミスズメが集まっていました。(20+)

今日の落石漁港内。オジロワシも来ておらず平和な雰囲気。

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