<ハイド効果について> By イーグル
今年は、道東でも深い雪をかき分けながらのバードウォッチングの機会が多いようです。
雪の中のラッセルはつらいですが、渓流でカワガラスを観察する際など、ラッセルは欠かせません。その際、どうせ雪で苦労するなら、その雪をハイドの様に利用してみてはいかがでしょうか?
下記写真は渓流沿いでカワガラスを観察している光景ですが、深い雪を利用し「ハイド効果」をうまく活用しています。我々が「雪洞ハイド」と名づけているテクニックです。この方法を使うことにより、この観察者はカワガラスに与えるストレスをかなり軽減できたと思います。
「ハイド効果」活用の要点は、野鳥に人間の下半身とりわけ両足を見せない工夫をすることにあります。
下半身が見えなければ、野鳥に与えるストレスを半減させることが出来、しばしば、かなりの至近距離まで、向こうから近寄ってきてくれます。私は、そのような野鳥へのストレス軽減効果を「ハイド効果」と呼んでいます。ハイド効果に着目し、イギリス人が発明したものが、HIDE(英国式野鳥観察小屋)です。
根室半島には現在5か所完成していますが、今後、1年に1-2基のペースでHIDEを建設してゆくことになっています。
このように「ハイド効果」を最大限発揮する施設がHIDEですが、HIDEがない場所で野鳥観察を行う場合も、常に「ハイド効果」を意識して観察を行うべきでしょう。
下半身を隠す工夫は無数にあります。「自動車から出ないで観察すること」や「船上からの観察」もハイド効果の高い観察方法と言えますが、地形や茂みや人口構造物を利用して下半身を隠すことも効果があります。何も遮蔽物がない場合は、ただ、しゃがみ込むだけでも、突っ立っているよりはるかに野鳥に対するストレス低減効果があります。
皆様も、是非、日頃の野鳥観察の際、「ハイド効果」を意識して、自らの下半身を何かに隠す工夫をなさって見てください。
特に、全国各地で行われている「探鳥会」も大勢の人間が全身丸出しで歩き回り、無意識のうちに野鳥に大きなストレスを与えているのかもしれませんね。その意味で、日本の探鳥会の大半は「マナー違反」を犯しているのかもしれません。
一部のカメラマンさんのマナー違反が全国で大きな問題になっていますが、一部のカメラマンさんを批判する人たちの側にも、ハイド効果を全く意識していない人が多数おられます。
野鳥から見ると、程度の差こそあれ、同じく野鳥にストレスを与える行為であることを、改めて認識する必要があるかもしれません。
雪洞ハイドからの観察例 |
「根室市民の森ハイド」=英国式ハイド例=ガラスは不要。話し声も問題ありません。 |
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